駐在妻とは、いわゆる外資系日本企業に勤める夫の海外赴任に同行し、数年単位で海外生活を送る妻たちのことを言います。他ならぬ、私もその一人です。その実態や如何なるものか、今日は4つのポイントでお話ししましょう。
ドイツ・フランクフルトの駐在妻生活
- 日本人とドイツ人
- 駐在妻(駐妻)とドイツ人妻(永住妻)
- 子連れ妻と子無し妻
- 純日本在住妻と海外在住経験を有する妻
①日本人とドイツ人
ドイツ人は質実剛健、真面目で勤勉、日本人と似た性質をもつと思っている日本人は多いと思いますが、実際はちょっと違います。
ドイツ人は休暇の為に仕事をしています。夏と冬には2回長期休暇を取り、年間計30日を休暇のために使います。自己主張は極めて強く、発言の内容如何せんよりも“意見を言う”という事を会話の軸にする文化です。
年齢性別関係無く、対話の文化なんです。全ての店に置いて客と店員は対等であり、『いらっしゃいませ』などの愛想は有りません。
自分の担当する仕事以外の事を聞かれれば「知らない」と言います。細かな作業も苦手です。
日本人にとって、満足のいく美容室やネイルサロン、マッサージショップを探すのは至難の業です。
ドイツ人は英語も話せると思われていますが、一般的なドイツ人はほとんど英語が話せません。小都市の多いドイツ国内では、生活上ドイツ語が必須です。
かくいう私も語学学校に1年間通いました。観光客に毛の生えた程度ですが、買い物するにもレストランで食事するにもやはりドイツ語が話せた方が、断然店員の態度が良いですね。
②駐在妻(駐妻)とドイツ人妻(永住妻)
ドイツ国内には比較的日本人が多く住んでいて、私の住んでいる街にも近隣に15名ほどの日本人妻たちが住んでいます。時々お茶会などをして集まることも有ります。
初めて参加したお茶会で、駐妻が必ず聞かれることは『駐在期間は何年ですか?』です。つまり、その年数如何せんで、永住妻たちは私達駐妻との付き合い方を考えるのです。
どうせ数年でドイツを去る人、そんな風に思われていると思うとなんだか悲しくなりますよね。結果、私の場合は永住妻と深いお付き合いには発展しませんでした。
③子連れ妻と子無し妻
駐妻のグループ内でも、子供がいる人と子供がいない人の間には大きな壁が有るように感じます。子供がいれば当然、日本でいう幼稚園や保育園に当たる施設に通う事になります。
それ以外に週一回開催される日本人学校もあります。子供がいる家庭はそういったコミュニティーに参加することになるんです。
一方で子供のいない私のような駐妻は語学学校に通うケースが多いようです。おのずと外国人の友人が増え、日本人同士の付き合いが希薄になりがちです。
久しぶりに子供連れの友人に会っても、話題の中心になるのは子供の事。共通の話題といったら旅の話くらいです。
④純日本在住妻と海外在住経験を有する妻
『駐在妻』って、どんなイメージが有りますか?豊富な休暇と良いお給料、優雅な生活を送っていると思われがちですが、そんなの一昔前!1300円の時代の話です!!
今は海外在住者といっても質素なものです。我が家の場合は、僅かな手当でドイツでの生活用品や家具一式をこちらで購入しました。マンションの手配を始めとする生活上のサポートはほとんど有りません。
友人夫婦は実費で車を購入したとも聞いています。海外で暮らしているというと『いいわね~。羨ましいわ。』という言葉の裏にハッキリとした嫉妬や妬み、羨望や偏見が見受けられます。
『だったら一度経験してみろ!』と、怒鳴りたくなるのが正直なところです。
結局、海外は旅行に行く程度が一番楽しいのであって、生活するとなると想像以上に心身共に負担が大きいのです。
ま。それでも、日本にしか居住したことの無い妻に比べたら、随分と色んなことを経験できたとは思いますがね。あ・・・そんな事を言っている時点で、充分嫌な感じのお高くとまった“駐妻”ですよね(苦笑)