[公開]2016/06/19 [更新]2016/06/19

非人道的すぎ!?日本の難民保護と海外の難民問題の比較と考察

現在日本に在留出来る難民の数は年間100人と言われている。この人数はアメリカやフランスと比較するとはるかに少ない。

6月8日14:18付でBBCNewsから発信されたニュースは、日本における難民問題をクローズアップしたものだ。

難民

以下の二人の難民のインタビューは同局の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズさんによるものである。

 

まず、下記で日本の難民保護の実情を知っていただき、その後、ドイツ・スウェーデンとの違いについて書いていく。

 

最初に書いておくが、日本の難民保護は「非人道的」と言われたりはするが、それは決して悪いことではない。むしろ評価を受けはじめている。是非最後まで読んで欲しい。

 

ケース①:トルコのクルド人地域から来たエリンさん「出て行け」と毎日言われた

エリンさんは15年前にクルド人地域から逃れて日本の東日本入国管理センターに収容された経験を持つ。

 

彼がこのセンターで生活したのは一年半だが、毎日のように日本から出て帰国するように言われたと言う。

 

職員達は

 

「法務省の判断で難民の認定が決まるが、君の場合はいくら頑張っても無駄だから、国に変える方が良い。さもなければ、国外退去をさせる」

 

と説得して、何とかして入国を思いとどまらせようとしている様子だった。

 

現在エリンさんは日本人女性と結婚して赤ちゃんを授かっているが、今でも東日本入国管理センターについて

 

「有名なグアンタナモ収容所と一緒。暴力は振るわないが、難民を精神的に追い詰める所だ

 

という印象がぬぐえないらしい。

 

彼がインタビューで最後に答えた言葉が印象的だ。「もし日本人と結婚していなければ、日本で生活する事は出来なかった。この国に来て15年たつが、まだ難民認定をされていない。」

 

ケース②:イラクから来た難民認定を待つ若者

東京から1時間ほど北上した場所にイラクから来た若者がいる。彼は難民認定の望みが薄い事を知っているが、それでも認定される日を待ち続けている。

 

認定を待っている間は何の仕事にも就く事が出来ず、携帯電話を持つ事を禁止されている事に対して不満がある。

 

「何の選択肢もくれない。生活もさせてくれない。ただ日がな一日ここに座っているだけ。」

 

彼だけではなく、認定してもらえない難民は生活への不満が多い。

 

日本で難民認定を受けるのは長期間かかる

二人の事例からも分かるように、全ての難民が日本で難民認定を手にするのにはかなりの年月がかかるようだ。

 

東日本入国管理センターの生活は難民のための一時的な受け入れ先に過ぎず、難民認定を極力させないための関門になっているように見える。

 

私は今まで知らなかった事実を繙いてみるために、日本の難民認定制度について調べてみた。

 

日本の難民認定制度は30年の歴史がある

日本の難民認定の歴史は1978年までさかのぼる。

 

迫害を逃れるためにベトナムやカンボジアなどから多数のインドシナ難民が日本に庇護を求めた事実があったが、その翌年から2006年までの間に日本の受け入れ事業によって約11,000人が受け入れられた。

 

彼らの大半は日本国内に定住しているが、この実績から分かるように、日本の難民認定が実に30年を越える歴史があるという事が分かる。

 

日本は1981年に難民条約に加入したが、翌年出入国管理及び難民認定法が整備された。日本での難民認定申請にはいくつかのプロセスがある。

 

面接になかなか受からない

申請してから法務省入国管理局の難民調整官による面接が行われる。この時点でスムーズに難民認定を受けられれば良いのだが、そう簡単にはいかないようだ。

 

難民の多くは不認定という結果になり、結果の通知から7日以内に異議を申し立てればもう一度面接を受けることが出来るが、彼らが認定を待っている間は「人道配慮による在留特別許可」が与えられる。

 

今回のBBCのニュースは在留特別許可を与えられた人たちに着目したものだが、

 

彼らが難民認定にこだわる理由は更新可能な1年から3年の定住者としての在留資格が与えられるからだ。

 

難民認定のたくさんのメリット

難民認定がされると

 

  1. 国民健康保険加入を申請することが出来る
  2. 居住地の市役所または区役所に福祉支援を受ける権利を与えられる
  3. 政府から委託された財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部が日本語の教育を行ってくれる
  4. 生活オリエンテーションプログラムが提供される
  5. 定住支援プログラムが提供される

 

などの利点があるので、不認定の結果が通知された難民と比べると天国の生活だと思われるに違いない。

 

日本の東日本入国管理センターは刑務所?

外国から来た難民が入国した後に必ず行かなければいけない場所が東日本入国管理センターである。

 

ここに送られた難民たちは難民申請の手続きをとり、難民認定を受けるまでの間このセンター内で過ごす事になるのだが、ここの内部を見た事があると言う人はほとんどいないだろう。

 

現在300人ほどの人数が収容されているが、その中の様子が刑務所のようなのだ。

 

廊下から難民が暮らす部屋との間には鉄格子がはめられたドアがあり、窓は採光のみで外の景色が見えないようふさがれている。

 

四畳半一間の和室にトイレと小さな洗面台がついた簡素な部屋。多い時で5人の難民がここに収容され、一日のうち最長で15時間も閉じ込められる。

 

BBCはもちろん、メディアはここの入所者の姿を見たり取材をする事を許されない。

 

難民支援団体クローバーの報告

筑波大学生が中心となって難民への支援活動を行っている団体クローバーが、東日本入国管理センター内の被収容者達との面会を通して分かった事をホームページを通して報告している。

 

母国へ帰れないことや家族に会えないことへの悲しみ、そして助けを求めてやってきたはずの日本でそもそも“難民”として認められないという辛い事実に直面している被収容者の方の姿がありました。

出典:代表挨拶 | CLOVER~難民と共に歩むユース団体~

 

被収容者は

 

  • 外部に連絡が出来ず
  • 通信手段は電話と文通でインターネットや個人の携帯電話は使用不可
  • 外に自由に出ることが出来ない
  • 一日のスケジュールが決められていて、起床時間や食事、シャワー、運動や就寝まで規則正しい
  • 部屋は相部屋だが、出身国や言語、生活習慣が違う人達が収容される
  • 入国管理センターの職員や他の被収容者が日本語で話すのである程度の日本語は覚えられるのでもっと勉強したいが、テキストなどは与えられない
  • 被収容者は日本で労働や保険加入が認められない
  • 彼らの生活は24時間入国管理局の職員が監視カメラを使って監視しているので、不便な生活や認定されるまでの不安も重なり、かなり強いストレスを感じる

 

などなど不遇な生活をしているようだ。
では、日本以外ではどうなのか??

 

ドイツの難民への対応

ドイツは日本と同じように少子高齢化が問題になっているが、メルケル首相の判断により難民を受け入れて労働力にする計画があったため、国全体が歓迎モードになった。

 

難民の多くは25歳以下なので、充分な戦力になると踏んでいたらしい。ドイツに入国させた後は生活の保障をしなければならないが、彼らを支援するために60億ユーロ(日本円で8000億円)の費用を捻出する事にした。

 

その費用が何に使われるのかと言うと、

 

  • ドイツ語の教育
  • 難民の住居
  • 難民申請の手続きの迅速化
  • 給付金の支払い

 

などだそうだ。

 

難民の多くはドイツに着いたら初めの三か月は収容施設で暮らす事が出来るうえ、食料や生活必需品などの提供や病院の利用、就学年齢の子供は通学する事が可能で、毎月最低でも143ユーロ(19,000円)の支給がある。

 

この143ユーロは一人当たりの額で、家族4人で申請をした場合は76,000円がもらえると言う計算になるが、一人分の支給額だけでもシリアの月収の平均額より高い金額になる。

 

スウェーデンでの難民への対応

スウェーデンの難民に使う費用は1兆円で、GDP2%になると言うが、相当な額だ。

 

人口960万人に対して20万人の難民を受け入れたそうだから、難民にとっては良い国だと言う印象が強いに違いない。

 

この待遇がずっと続くなら、難民がドイツやスウェーデンを目指すのをやめないだろう。

 

ドイツ、スウェーデンも甘くない部分はもちろんある

ところが、神対応が多かったドイツ、スウェーデンもそれほど甘くない。

 

いくら少子高齢化問題を解決しようとしても、難民のために元からいた国民を追い出すような真似をされては、国民の中に難民を蔑視する人が増えても不思議ではないだろう。

 

自分達の生活が良いわけではないのに、これ以上難民を受け入れていたら国が乗っ取られる。これでは、日本で生活保護システムが叩かれるケースに近くなる。

 

ドイツもスウェーデンも危機感を感じたに違いない。もっと良い策はなかったものなのか。

 

近年では両国の難民による犯罪発生率犯罪が多くなり、住民との争いが目立つようになってきた。

 

世界から日本の難民対策への評価

スウェーデンやドイツを始めとした難民受け入れ率が高い国の住人の中には、すでに国家の存続や自分達の生活のために、

 

これまで「非人道的」と非難していた日本の難民認定制度を見倣おうという動きが見られるようになってきた。

 

難民の中には偽装難民が紛れ込んでいることが多い。日本でも以前出稼ぎを目的とした外国人が難民を装って入国した事があったが、その時と目的は同じである。

 

難民認定されれば良い待遇で生活する事も出来るし、本国に残してきた家族に仕送りするのも自由だ。

 

現在の日本は難民に対して正しい対応を行っているという事で評価をされるようになり、その動向が注目されているが、偽装難民以外の人と避難先の国民全員が豊かな生活が出来るようになるのが今後の課題となる事だろう。